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Newsこんにちは

里親の皆様には、日々温かな家庭的環境の中で子どもたちの健やかな成長を支えていただき感謝申し上げます。私ごとですが、

かつて多摩児童相談所の児童福祉司をしておりました折、里親の皆様方には、子どもたちを「家族」として親身になって養育

していただき、家庭の温かさが子どもの心の傷を癒し、自立への糧になることを改めて実感させていただきました。しかしその一方で、子どもたちとの絆を築いていく道のりが決して平坦ではないことも認識しております。今、皆様への支援をさらに充実していかなければという決意を新たにしております。


都は、令和2年3月に新たに策定した「東京都社会的養育推進計画」に基づき、家庭における養育が困難な場合は、家庭と同様の環境である里親等への委託を優先することとしております。この計画に基づき、里親等委託率を向上させるとともに、里親制度の充実を図るため様々な施策に取り組んでおります。
 

令和2年10月には多摩児童相談所管内において、フォスタリング機関事業のモデル実施を開始いたしました。里親のリクルートや研修、子どもと里親のマッチングや委託中の支援、措置解除後の支援に至るまで民間の力を活用して、継続性のある里親支援に努めております。里親の皆様にもフォスタリング機関との関係が密になり、支援の充実を感じていただいていることと思います。地域に根差した説明会などの普及啓発も積極的に行い、里親希望者からの問い合わせ件数が増えるなど、効果も目に見えて上がっております。来年度からは、新たに立川児童相談所と江東児童相談所においてもフォスタリング機関事業を開始する予定であり、里親支援のための体制の強化を着実に図ってまいります。
 

また、昨年の7月から「里親子のサポートネット」を実施しております。子どもの最善の利益を守るため、第三者が里親子や児童相談所双方から意見を聴き調整を行う仕組です。チーム養育体制の中で話し合いをしても解決が難しいと感じたときに、調整の機会としてご利用いただけます。


さらに、企業等にも協力いただき、地域の中で子育てをする里親がごく普通のこととして受け入れられる社会を目指して、普及啓発に取り組んでおります。
 

この2年間、新型コロナウイルス感染症の拡大により、学校の休校など子どもの養育環境は厳しい状況が続いております。しかし、こうした時だからこそ、里親の皆様と共に都をはじめ関係機関が連携し、子どもたちによりよい支援を提供できるよう努めてまいります。


子どもたちが健やかに成長し、里親の皆様と笑顔で過ごすことができるよう、そして皆様に私どもの支援を実感していただけるよう、引き続き力を尽くしてまいります。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2022年3月28日発行  第42号

 都における里親制度の推進について

西尾 寿一

発行:NPO法人東京養育家庭の会 発行責任者:能登和子

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東京都福祉保健局少子社会対策部
子供・子育て施策推進担当部長

<参考> 東京養育家庭の会 定款より
(目的〉
第3条 この法人は、社会的養護の必要な子ども達に対して、より良い養育の実践、養育家庭制度の充実、地域社会での理解増進などに取り組み、「どの子も家庭環境で等しく健やかに成長し、自立する権利」を保障することを目的とする。

区児相担当者連絡会が立ち上がりました

ご存知のように令和2年4月以降先行4区(世田谷、江戸川、荒川、港区)に区立児童相談所が開設しました。続いて令和6年度までに中野、板橋、豊島、葛飾、品川、文京区に開設される予定です。新しい児童相談所に里親の意見が反映されるように、それぞれの区の里親代表が開設準備室の担当者に働きかけるのですが、その反応は区によって温度差があるようです。そこで他の区ではどのような取り組みをしているのか、区の担当者といい関係を築くにはどうしたらいいのか、など情報交換をするための連絡会を立ち上げることになりました。まずは顔合わせのキックオフ会を2月8日(火)にオンラインで開催し、9区から11名と東京養育家庭の会から2名の出席がありました。


お互いの自己紹介から始まり、区の現状、今後の課題などについて共有しました。設立前と後で人事異動があったため意気込みがトーンダウンしてしまっているところ、開設前に区在住の里親を集めて説明会をしてもらったところ、フォスタリング機関が児相との間に入って里親子支援をしてくれるところ、区の職員と一緒に研修に参加して共に学んでいるところ、区在住の里親とLINEグループを作って区の説明会などに参加しているところなど、それぞれの区の様子が分かってとても有意義な交流会となりました。

私の住む品川区では令和6年度開設に向けて、今年度より年3回の有識者会議(区立児童相談所設置・運営計画検討委員会)がスタートしました。まずは区の子育て支援や関係機関などのリソースを確認し、子ども家庭支援センターとの連携を軸にどのような児童相談所にしていくか話し合いが行われています。私も里親の立場としての意見を求められるとともに、こちらからも東京養育家庭の会や支部の会報を区の担当者に渡すなどして私たち里親の現状について情報提供をしています。来年度からはフォスタリング機関の検討などが具体化しますので、区児相担当者連絡会でもアイデアをいただけたらと思っています。(品川区 綱嶋 美奈)

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東京都児相フォスタリング設置に関する連絡会

~ 発足のお知らせとご報告 ~

担当/松岡 秀紀(副理事長)

昨年度(令和2年10 月)より、多摩児童相談所にて東京都で初めてフォスタリング機関の試験導入が実施されました。次年度(令和4年度)より、立川児童相談所、江東児童相談所に展開され、令和6年(2024年)までには全ての東京都児童相談所での実施が予定されています。
 

フォスタリング機関の設置で、里親、子どもたちは何が変わるのか? また、フォスタリング機関と児童相談所、里親など東京都のチーム養育は何を目指すのか? こうした疑問、課題、展望を各支部の皆さんと共有し、より良い取り組みを広げていくために、当会に「東京都児相フォスタリング設置に関する連絡会」を立ち上げ、下記のように第1回の会合をオンラインで開催いたしました。
 

今後は定期的に、フォスタリング設置に関する各地域での情報を共有するとともに、

会員の皆様への情報提供を実施していきます。

  • 第1回連絡会(令和4年2月18日開催)の主な内容 (敬称略)

【多摩児童相談所】の状況 (すこやか支部長 阿久津 郁子)

   令和2年10月から準備が開始され令和3年4月より正式にスタートした。
 また、昨年6月のアンケートのフィードバックを踏まえて以下のことが話
された。

《研修について》

  • 開催が土日で実施され、場所も近くなり参加しやすくなった

  • 顔が見える少人数で開催できてとても良いが、他支部などの状況も知り

   たい など

《里親支援について》

  • 地域性を考慮しての活動がされ、自立支援担当が丁寧に対応されるようになった

  • 里子とLINEで繋がる等、コミュニケーションも活性化してきて大変良い

  • 1~2年で変わる児相担当とは違い、継続性があることが良い

  • 役割が分かりづらいなどで当初は混乱した。里親支援専門相談員は、どう動いたらいいか戸惑っている様子が見られた など

《里親リクルート》
 リクルート担当2名は、積極的な活動により各市の子ども家庭支援センターとの緊密な連絡をとり、説明会を年複数回実施するなど
を行い、里親登録が増加している。また、養育家庭の会の参加も勧誘しやすい状況になってきている。
《体制/スタッフ》
 統括責任者1名を含め8名体制。内、児相に在籍:4名(統括責任者含む)、施設に在籍:4名。スタッフの社会的養護の経験には差があるように思える。中立的であるが、以前より里親の気持ちに寄り添ったきめ細かい活動ができているスタッフもいる。しかしそれは、スタッフ自身のこれまでの経験によるスキルに依存するものであり、組織として確立されているわけではないと思われる。
《準備期間について》
 特に具体的に支部としては関わっていない。委託事業者も戸惑いが多かったと思われる。
《その他》
 現在は、フォスタリング事業者、児相、支部の3者で隔月に実務者連絡会を開催し、直接の情報共有を実施している。それらの連絡会で提示された内容は、具体的なアクションにつながっていく。また、支部から、参加人数の制限もなく積極的な情報共有の場となってきている。

【立川児童相談所】の状況 (さくら支部長 本島 純子)
 現在進捗はない。3月に里親に対して説明会を実施する通知がきた。今後、詳細に進んでいくと思われる。

 

【江東児童相談所】の状況 (川の手支部長 松岡 優子)
 2月20日に事前の説明会が、東京都・江東児相責任者・川の手支部(江東児相担当役員)によりオンラインで実施された。当初は、登録家庭へ郵送予定のフォスタリング概要資料についての事前説明であったが、役員から以下の点が提案された。

  • チーム養育図の子ども担当が明確になっていないので、フォスタリング設置を機に明確にしていく必要がある。

  • フォスタリング事業者、児相の役割やゴールの設定や数値的目標値(KPI)を設定していく必要があり、支部としてもチーム養育の一員として積極的に対応していきたいことを共有した。また、東京都、江東児相、川の手支部で情報共有して展開をしていくことを確認した。3月中に関係者の参加のキックオフ(*1)を実施したい。

  • 里親支援専門相談員(以下、里専員)の子供に対するコミニューションが不足している事が原因と思われる事例が多く発生している。フォスタリング事業者、里専員の役割の明確が必要。また、里専員の委託費用は別枠であるため、委託時間が不足しているのかどうかも含めて精査/議論が必要

  • 発達障害と思われる症状への具体的対処(研修/民間機関を含めて)、負のスパイラルの断絶のための具体的なアクションを含めなければならない。

(*1) 3月9日に関係者でキックオフが実施されました。

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里子専任の子担当が設置されます!

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本年 2022年1月に東京都育成支援課より、フォスタリング設置の児童相談所において、里子専任の子担当が2022年4月より設置されるとのアナウンスがありました。

●対象者は?
多摩・立川・江東児童相談所から里子の養育を委託されている、すべての支部の皆様
(子担当が多摩・立川・江東児童相談所であれば、親担当が区の児童相談所管轄でも対象です)

●何が変わる?
多摩・立川・江東児童相談所から委託されている場合には、子担は里子専任となります。
すなわち本制度変更により、子担は里子以外の他のケース等で多忙になることはなくなるため、子どもとのコミュニケーションが大きく改善されることが期待できます。

              ※詳しくは担当の児童相談所に直接お問合せください。

~ 東京都多摩・立川・江東児童相談所において ~

担当/松岡 秀紀(副理事長)

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「巣立たせた里親の集い」

2年ぶりに「巣立たせた里親の集い」を開催します。
対象の方には先日お手紙を送付しました。

「我が家は対象なのでは?」と思う方で万が一連絡のない場合は事務局までお知らせください。

 ■日 時:2022年4月10日(日)
 ■時 間:11時00分~13時30分(10時45分開場)軽食あり
 ■場 所:リファレンス西新宿大京ビル 貸会議室
       新宿区西新宿7丁目21-3 西新宿大京ビル2階
        (丸の内線西新宿駅から徒歩1分、各線新宿駅から徒歩5~8分)
 ■対 象:東京養育家庭の会会員家庭
     【2020.2021.2022年3月に措置満了を迎えた里子さんを養育された里親さん】
      今年度の措置満了も含みます。
 ■費 用:無料(今年度はiThings研究所様より寄付を頂き参加費は無料とさせて頂きます。)

 

 *感染症予防や緊急事態宣言などの事情により中止になる可能性もあります。ご了承ください。
 *問い合わせ先:東京養育家庭の会事務局【 jimukyoku@tokyo-yoikukatei.jp 】

 

事務局から

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理事長・副理事長とのオンライン座談会   『東京養育家庭の会』とは?

~区立児相とフォスタリング機関の設置を機に改めて考える~                        2022年2月8日

『東京養育家庭の会』の三役はじめ事務局では、日々様々な業務の対応に追われていますが、養育家庭制度を取り巻く環境が大きく変化する中、今回あらためて当会の今後のビジョンについてじっくりお語りいただきました。        

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【理事長】能登和子(すこやか)
【副理事長】今井信吾(ひだまり) 松岡秀紀(川の手) 渡辺敦子(つくし小平)
【インタビュアー】藤井珠美(つくし小平/事務局長)
【編集理事】山口玲子(みどり) 【陪席理事】齊藤麻実(かがやき)

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藤井まず『東京養育家庭の会(以下、当会)』はどのような会で、

どのようなものを目指しているのでしょうか?

松岡: 当会が平成16年に設立されて以来、子どもを取り巻く環境は大きく変化しています。発達障害や養育の難しい子どもも増え

り、それを支援していく里親自身も勉強し、変化に対応できるように備えていくことが重要な時期に来ていると思います。  

特に近年、各区において区立児相が設置され、そのなかで、各区の行政と都の行政の違いが出始めています。チーム養育を皆で目指

すなかで当会も、行政への対応など、NPO法人として果たすべき役割がますます重要になると思います。

さらに私自身が重要視しているのは、子どもに対し「負のスパイラルを繰り返さない環境をいかに作ってあげられるか」考えていくこと。里親宅で暮らした子が大きくなって家庭を持ち子どもを持ったときに同じことを繰り返さないように支援したい。

能登: 私はこれまで長く里親支援に関わってきていますが、里親同士が手を繋ぎ合って、子どものより良い成長のためにいろいろな制度を考えたり、都や区に要望や意見を述べていく等、できることを考えていくのは当時から変わっていないと思っています。
特に私が一番思うのは、誰かがリードして進めていくのも大切かもしれませんが、「全体が一歩進むために会に何ができるか、自分に何ができるか」が大事で、それをいつも考えています。

今井: 我々は里親になろうとしたきっかけ・動機は千差万別ですが、そういういろいろな考えや思いを抱きながら「今困っている子どもに対して自分たちが何をしてあげられるか」という気持ちや悩みを持っているのは共通。その共通した課題をできる限り皆さんから集め、それを解決して会を良い方に動かす、最終的には子どもが里親宅から社会に巣立つ、社会人になる手伝いができればと思います。

渡辺:  里親会である当会は何ができるのか?どこの機関にもできない私たちだけができる ピアサポートというのが最も重要ですよね。より良

      い子どもの成長のために里親同士のピアサポートの機能を充実させる、ということが何より大事だと思います。 また「当会はボ

      ランティアによる互助会、互いに助け合う会であるということの全会員への周知徹底」が今大変重要だと感じています。つまり、

      サービスを受ける側と提供する側の人は分かれているわけではなく、390人の会員皆が全く同じ立場で里子の養育をしながらお互

      いに助け合う、サービスを提供する・提供される、その場その場でどちらの側になるかわからないが、皆同じボランティアであ

      り、同じ力量で助け合おうということを皆さんにわかってもらうということ。雇用されている人が提供しているのではないということを共通の理解にしたいです。

藤井: 里親同士手を繋ぎ合って子どものために何ができるか?

そのために里親会にとって今必要なことは何だと思われますか?


能登: 子どもがひとりで生きていくことができるよう、その子の能力や特性に合わせて力をつけさせることや、どの子も自分の

持っいる力でうまく生きていくための術を教えてあげることが重要です。
そのために会として必要なのは、子どもの現状を里親が学び合うこと、そして、今の世の中の子どもたちが年齢的
に成長はするけれど自立という点では段々と遅くなっている現状を考えつつ、どうしたら良いかを学ぶこと、また里親同士で率直に話し合い考える機会を持っていくことだと思います。

今井:当会は里親の集まりだから、里親が子どもにどう接し対応しているか、最大公約数を求め共有することかと思います。私のところから巣立った子は多いですが、みな高齢で来ているので、してあげられることは限りがあるんですね。2年か3年関わるなかでできる限りのことをするしかないなと、自分としては今やっていることが里父として父親像を少しでも植えつけられればと一生懸命やっています。会として、皆どのような養育をしているかを吸い上げて、それを他の里父さんとも共有していく働きができたら良いと思います。

渡辺: 子どもを支える機関はいくつもあるけれど、 そのなかで私たちだけの特性は継続性。あらゆる機関では人が流れていくのに対して、私たちは10年単位で里子に対して関わることができる。里親家庭としてその子の成長を促し、見守り、見届ける、その形ができるようお互いを支え合う、会の役割は里親同士を繋げるためのお手伝いですよね。そのために必要なのは「会の事務局体制の強化」です。近い所ではフォスタリング機関から遠くは全国里親会まで、大変だけどあらゆる機関と繋がっていかないといけない。そこには必ず事務仕事は出てきます。それをできるだけ簡潔に、過度の負担なくこなしていくことが今の当会に必要なことだと思います。そうでないと里親さんが養育に力を注げない。だから、それができて初めて一家庭一家庭の里親が子どもと密に繋がって、継続性のある確固たる関係を築いて、措置解除後も見守り続け、あるいは具体的に支援を続けることができるようになる。そうなることで、里子が自立した社会人・納税者になれるのだと思います。

松岡: 昨今、里子のより良い養育のためにチーム養育が行われるようになりましたが、本当の意味でチームになっていないのではと日々感じています。たとえば子どもにいろいろな問題が起きたとき、皆で集まってその子どもにとって最善の策が行われずに進んでしまうことがある。せっかく里親登録しても途中で断念してしまうケースもある。本当の意味でのチームになれない理由があるなら、子どものことを一番に考えるなら一刻も早い改善が必要です。

藤井: 会としてやっていくこととして「ピアサポートの充実」

「里親の学び・情報共有」「行政に対する働きかけ」

「チーム養育の充実」「事務局体制の強化」が出されました。

これらが今できていないとすると、何が妨げになっていると思われますか?

能登: 私たちは子育てすることが喫緊の目標ということになっていて、なかなか全体を見ていく目が育ちにくい、厚労省からのアナウンス(里親委託ガイドライン等)を十分聞き取る意識が薄い等を感じます。会として、重要な情報を支部に降ろしつつ、皆のものにしていくことは必要だと思います。

今井: 妨げというか・・当会の会員全員が共通の意識をもって里親としてやっていっているのか?というところです。里親会の

仕事に積極的に参加してと言うと、私にはできないなど尻込みする人が多い。みんなが参加しやすい状況、風通しの良い会を作ら

ないといけないと思います。そのためにどうしたらよいか?里親であっても当会に登録していない人が多いです。我々がもっと手

を差し伸べて一緒に会としてやりましょう、と風通し良い状況を作って皆さんの情報を吸い上げる、またそれを皆さんに行き渡ら

せるという環境作りをやっていけたら良いと思います。

渡辺: 妨げになっているのは、一人一人皆が同じように何かの業務を分担していかなければいけないという意識がないこと。特別な一部の人がやるもので自分はやらなくて良いのだと思い込んでしまったというか・・。もっと学校のPTAのように、必ず一人一役担わなくてはならないものと皆さんに知らせることがこれからのこの会にはとても大切だと思います。そうする過程のなかで里親同士の繋がりも深くなり、より効果的なピアサポートが実現されていくのです。本部の事務局の仕事を数人でやろうと考えるのは無謀でした。今後多くのボランティアを募るなど、事務局の業務について一人でも多くの人に担ってもらうことはとても重要なことだと思います。

藤井: 当会の事務は一部の人がやってくれるものという皆の意識から、風通しの悪さが生じ、今までの活動の妨げになっていたということですね。そのための対策を今、渡辺さんが提案してくださいました。

松岡: 妨げの要因をというより、このあとどう乗り越えていくか考えるなかで、ひとつはより多くの仲間を形成していくことが大事です。里親仲間だけでなく、その周りにいる企業からの支援を受けたり、いろいろな組織との仲間と連携して大きな輪を作っていく必要があると思う。そして当会が今後様々な情報提供するといってもボランティアでやるのは限られ、一定の事務作業量は必要なので、専任事務職は当然必要不可欠でしょう。そういう組織のなかで情報デリバリーをしていくのがひとつの大きなポイントかと思うんです。
もうひとつのポイントは先ほど皆さんからあったように、支部においても支部長など何人かの役割に捕らわれるのでなく全員が役割を持ち、多くの方が参加していく、本部にも多くの方に手伝っていただく。輪が大きくなればいろいろなことが動かしやすくなり影響力を持って進んでいけると思います。

能登: 基本的に賛成なのですが、よくPTAで全員参加を求められ、自分たちはできないからPTAを無くしていこうという動きにもなっている状況もあります。里親も、支部での活動を頑張っているけれど本部に行くのは難しいと思っている人がいると思う。そこは重々配慮しながらやっていく必要があると思います。

渡辺: 今、当会が抱えている業務を洗い出し、列挙していますが、これだけのことをやるためには各支部からボランティアさんを出していただかないと処理しきれないという現状です。でも、やはりボランティアを出すことが難しいのならば、会費を少しずつ皆で多く負担して事務の方を雇う、というお金での解決方法を考えていくことが必要だと思います。

能登: 三役としていつも運営会議でいろいろ話合って協議していますが、会に対するこのような深い話をするのは今日が初めてでしたね。皆さんいろいろ考えていることがわかり共通理解になったことは良かったと思うので、これからもこういうような話が率直にできると良いと思いました。

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